Interview

カワムラヒロシ(guitarist /arranger/producer)

1979年岐阜県出身。国立岐阜大学音楽教育器楽科卒。
地元にて学習塾、予備校講師をしながら音楽活動中に地元のジャズライブハウスでジャズギタリスト小沼ようすけの演奏に衝撃を受け弟子入り志願。
その出会いをきっかけに2008年上京。
NakamuraEmi、Official髭男dism、GReeeeN etc... プロデューサー、アレンジャー、サポートギタリストとして活動中。趣味はサーフィンとスノーボード。

https://twitter.com/hir0shikawamura
https://www.instagram.com/hiroshikawamura_guitar/

“僕にとって音楽というのは、ブレずに進むべき道を気づかせてくれる存在なのかもしれません”

―カワムラさんがアーティストをプロデュースする時に大切にしていることは何ですか?

アーティストの方の魅力がよりわかりやすく伝わることもそうですし、

あれ
なんか
眼鏡外した時
めっちゃ可愛いくない???

みたいな魅力も届けられたらなと思ってやらせていただいてます。
そのためのミュージシャンやエンジニアの方など、
一緒に仕事をさせていただく方々チームの「座組み」が自分の一番の仕事なのかなと思ってます。

―ジャズライブハウスでジャズギタリスト・小沼ようすけさんに衝撃を受けて弟子入りをされたカワムラさんにとって、ジャズにはどういった魅力を感じますか? また、『Vermilion』においても他のアーティストの作品においても、ジャズの範囲にとどまらない「ポップス」を作って奏でようとされているのはなぜでしょうか。

僕はサーフィンが大好きなんですが、実はそのきっかけはサーファーでもある小沼さんが作ってくださいました。
サーフィンの面白さってその瞬間を逃しちゃうと同じ波に絶対に出会えないことだったりするんです。
だから見た目が似たような波だったとしても、やってる側はその少しの違いで十分楽しめるから日々全く飽きないという。
ジャズもとても似ているなぁと感じていて、その日、その場所、その瞬間で出会えた波をうまくキャッチできたら日々延々と楽しめるみたいな。

で、ここからは僕の超個人的解釈なんですが、、、
そのジャズやサーフィンの楽しみって、仮にやったことがなくてもやる側の楽しさがイメージできればかなり共感できるけど、
そのイメージが湧かないと正直その楽しさってあまりピンとこない。
でもジャズって(サーフィンって)なんかかっこいいんだよな〜、楽しそうなんだよな〜
の気持ちはやっぱりあったりして。

そんな切ない気持ちの溝をうまく埋めてくれるのが僕にとっての「ポップス」なのかもしれません。
「ポップス」にはある種の包容力があるから、知らない世界への扉も開けやすくなったり、通常ならやらない楽器の組み合わせやアレンジだって全然アリになる。
そうやって今まで知らなかった世界ももっと身近に気軽に楽しめるし、「ポップス」の力を借りてそういうきっかけがもっとたくさん増えたら最高だなと。
そんなことを思いながらやっております。

―カワムラさんが音楽に情熱を注ぎ続ける理由は何ですか?

今自分の周りにいる人はあまり信じてくれないかも知れませんが、、、
僕はもともと超消極的で引きこもりがちな性格なんですね。
加えて、時代なんだとは思いますが、小さい頃にピアノの先生だった母から「割とスパルタ教育」をしていただいてたこともあって(今ではとても感謝しているんですが(笑))音楽が大嫌いだったんです。

でもそんな自分のアイデンティティーを救ってくれて、もっと自由に弾いてもいいんやぞという楽しさに気づかせてくれたのが父が弾いていたギターで、
そのギターを弾けるようになったのは紛れもなく小さい時の「割とスパルタ教育」のおかげだったりもして。
その時に両親が僕のことを考えて環境を提供してくれてたことやそのありがたさ、そもそも自分の受け取り方次第で物事ってこんなに楽しくも辛くもなるのかと初めて気づかせてくれたのが音楽でした。

なので僕にとっての音楽というのは、自分が迷ったり、躊躇したり、見て見ぬフリをして嘘をつきそうな時でも、ブレずに進むべき道を気づかせてくれる存在なのかもしれません。
だからその感覚から生まれてくる音楽に対しても嘘をつかずにいたいなと思いながら日々音楽と暮らしている感じです。

“とても自由に個性的に動くことができた面白さが、今回の制作で印象に残ってます”

―『Vermilion』の制作において印象的だったことや、カワムラさんが目指していたものを教えてください。

先ず辻本君のファンの皆さんはご存知かと思いますが、
このクラリネットのプロジェクトは構想から今回の動きになるまでにおよそ5、6年の「潜水艦期間」がありました。
辻本君も僕もそうですが、なかなか実現まで繋げられず、正直悔しい思いをすることもありました。
でもその期間を経たことで結果的に、音楽、ビジュアル、宣伝の各チームで素晴らしい仲間が集い、とても自由に個性的に動くことができた面白さが今回の制作でとても印象に残ってます。
そういう雰囲気ってやはり作品に現れてくると思いますし、何より携わっていて楽しい。

音楽面でお話するなら、クラリネット奏者やいわゆる玄人の方々も音楽的に楽しめて、そうでないリスナーの方々にも
なんかかっこいいわぁ、気持ちいいなぁ、心地いいやん
みたいに少しでも感じてもらえてたらとても嬉しいです。

あとこれは余談なんですが、
僕の大学時代の恩師はクラリネット奏者で、研究室の授業も先生がクラリネットを吹いてそれを僕がギターで弾き返す
みたいなある種破天荒なレッスンを経験したことも、今回こういうかたちになって辻本君の作品に関われて繋がったことが自分的にはとても不思議で。
その先生にもこの『Vermilion』をニヤニヤしながら聴いてもらえたらさらに嬉しいなと。

―カワムラさんから見て、辻本さんはどういう人物であり音楽家ですか?

おそらく彼の周りにいる特に年上の方は納得かもしれませんが、

「可愛いけど実はめっちゃ尊敬している後輩」

みたいな感じですかね(笑)。

彼は見た目はとてもキャッチーですが、泥水を飲むかのようなしんどい経験や地道な努力の重さもわかっている。
だからこそ人を大切にできるんでしょうし、個人的にすごいなぁと思うのはその努力だけで勝負をしようとはせず、ある種わかりやすくパフォーマンスする大切さもわかっているそんな彼の人間性がかたちを変えたものがあの音色なんだなぁ
そんな風に思ってます。

―辻本さんはカワムラさんの人間性にも惚れているとおっしゃっています。カワムラさんが人と接する上で大事にされていることを3つ教えてください。

うわー!!!

こういうところですよ。。。
まさに可愛がられる所以ですよね笑
恥ずかしいわ、可愛いやつめ。。。

・好きなところはちゃんと伝える
・嫌〜ぁな伝え方はしない
・酒は笑って楽しく飲む

でしょうか。 なんだかすみません。。。

―窮屈な生活が続きますが、カワムラさんが日々を暮らす上で大事にされていることや意識されていることは何ですか?

今は特になんですが、誤解を恐れずに言うと
自分がやっていて楽しいと思えること、情熱をかけても惜しくないこと
に対するアンテナは以前よりも正直になったかもしれません。

もちろん、それによって周りに迷惑かけないようには大前提なんですが、、、(笑)

そのためなのかはわかりませんが、
着心地の良いものや触れていて気持ちの良いもの、そんな気分にさせてくれる音楽や絵
を前よりも身近に置くようになりました。

あとは今はなかなか難しくもありますが、時間が許す限りサーフィンやキャンプをしたりして自然の中に身を置くことは意識してるかもしれませんね。

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仁宮 裕

1983年、島根県生まれ、東京都在住。姫路工業大学卒業後、ニューシネマワークショップにて映像製作を学ぶ。
フリーランスの映像作家としてミュージックビデオ、映画などの演出、撮影、編集を手掛ける。「Vermilion」「Csárdás」のミュージックビデオ、ドキュメンタリー「辻本大陸」(ディスクユニオン購入特典)の監督を担当。


“なるべく人が面倒だと思うことをやる”

―仁宮さんが「映像」に心を掴まれて、情熱を注いでいる理由は何ですか?

元々趣味が高じてお仕事をいただけるようになったという経緯もあってか、未だに半分は 個人的な趣味の領域で活動しているからだと思います。趣味なので楽しいですし、努力に対する抵抗が殆ど無いです。映像を作る事自体が日々の生活のモチベーションになっているのかも知れません。

―仁宮さんがミュージックビデオを作るときに大切にしていることは何ですか?

楽曲にも寄りますが、特にインストゥルメンタルの曲の場合は大きな展開と細かなリズム を出来る限り緻密に映像に反映させるという点を意識することが多いです。
基本的に予算と体制がクオリティに大きく作用する映像というジャンルにおいて、細部に対するこだわりだけは自分の努力のみで作品に影響を与えれるので。平たく言うと「なるべく人が面倒だと思うことをやる」です。

―映画館で映写技師のバイトをされるほど映画好きだったという仁宮さんですが、ご自身 が作る映像のルーツとなっている映画を3本挙げてください。

「新世紀エヴァンゲリオン」:特にオープニングの文字を情報ではなく飾りとして使って いる点や細かいカット割にかなり影響を受けていると思います。

「π(パイ)」:恐らく、映像をストーリーやドラマを伝えるためではなく、視覚刺激と感覚に訴えるために使っている珍しい映画です。

「2001年宇宙の旅」:もう2021年なんですが、この映画は色褪せることなく永遠に近未来 であり続けるんだろうなと思っています。物語よりディテールと描写を楽しむことが眠ら ずに最後まで見るコツです。

―この先実現したいこと、叶えたい夢は何ですか?

これまで関わらせて頂いた沢山のアーティストやその関係者の皆さんのお陰で自分でも驚 く程の得難い経験をさせて頂いてるのですが、一度その経験を元に、仕事抜き、採算度外視、時間も人手も思う存分に使って自分の趣味に走った作品を作りたいです。

“誰もいない座席に向かってお辞儀をする姿に、辻本さんの本質が現れているような気がしました”

―映像監督の目線から見て、辻本さんはどういう人物であり音楽家ですか?

初めてご一緒した「HORNS RIOT」の時から思っていましたが、非常に華のある方です。 バンド編成の撮影の際、つい辻本さんばかり追いかけてしまいそうになるのでカメラのrec ボタンを押す前に「均等に。」と頭の中で一回唱えるようにしています。



―「Vermilion」のミュージックビデオを作る中でこだわったことや感動したこと、印象的だったことを教えてください。

「半生を振り返る」というテーマを元に映像を作るに当たり、極力演出を避けつつ、撮りながら着地点を探す、ミュージックビデオとドキュメンタリーの中間みたいな完成形を想定して撮影を始めました。
天理市民会館での演奏終了後、誰もいない座席に向かってお辞儀をする姿に辻本さんの人 間性の本質が現れているような気がしました。

―窮屈な生活が続きますが、仁宮さんが日々を暮らす上で大事にされていることや意識さ れていることは何ですか?

正直に言うと余り窮屈だと思ったことがないです。 ご時世柄、外出の機会は減りましたが、逆に身近にある小さな幸福や、何気ない楽しみを実感しながら生活出来ているような気がします。



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吉俣 良

1959年鹿児島市に生まれる。横浜市立大学在学中、美空ひばりのバックバンドのオーディションに受かったことをきっかけに、プロとして本格的に活動を始める。
その後、「Dr.コトー診療所」、NHK朝の連続テレビ小説「こころ」、「風のガーデン」、NHK大河ドラマ「篤姫」、「江~姫たちの戦国~」、「ごめん、愛してる」、アニメ「恋は雨上がりのように」などの数多くのテレビドラマの作品の作曲を手掛ける。
他にもCM音楽や「冷静と情熱のあいだ」、「四月は君の嘘」、「ドクター・デスの遺産―BLACK FILE―」などの映画音楽の作曲、薬師丸ひろ子などのアーティストのアレンジを担当するなど、作曲・編曲家として様々な分野で幅広い活動を展開している。


“エンタメ業界が多様化し、世界に発信することが出来ることによって、これからチャンスも増えていくと思います。”

―吉俣さんが長年音楽を続けることができた理由、モチベーションはどういったものでしたか?

もともとプロのミュージシャンになりたいと思っていたわけではなく、横浜市立大学を卒業後は地元・鹿児島に戻って県庁の職員になろうと思っていたくらいでした。大学在学中にプロの人と知り合い、学生時代の想い出としてプロのミュージシャンと一緒にやっていたところ、ひょんなきっかけで美空ひばりさんのバックバンドのオーディションに受かり、プロとなったのです。そこからは、手が届きそうで届かない目標を立て、クリアしたら、また次の目標を立ててクリアしていく、ということの繰り返しで今に至っていると思います。
歌手のサポートミュージシャンからスタートして、レコーディングミュージシャン、アレンジャー、プロデューサーの経験を経て、37歳で「サントラ(サウンドトラック)」という自分にとって一番合っている音楽の居場所を見つけられたことで、今の自分があると思っています。そしてきっと物凄く自分が恵まれていて、音楽を演ることが出来るという幸せが、苦しさや辛さを上回っているのだと思います。

―サントラは、ドラマや映画の監督や制作スタッフ、そしてミュージシャン等、たくさんの人が関わって完成するものだと思いますが、「チームワーク」「チームプレー」をする上で吉俣さんが大事にされていることを教えてください。

僕の中では、プロの役者、スタッフが、「大人の学芸会」を真剣にやっている、その中で「音楽」を作っているという意識で仕事に向き合っています。
出来るだけ現場にも出向いて、スタッフとコミュニケーションを取るようにもしています。
またレコーディングでは、ミュージシャンの皆さんに如何に気持ち良く演奏してもらい、如何にベストなプレイを上手く引き出せるかということを心がけています。

―吉俣さんから見て、今の音楽・エンタメ業界やミュージシャンにとっての環境は、いかがですか?

ミュージシャンに関しては、需要に対して供給過多になっているのが現状です。これからもっと、厳しくなっていくのではないでしょうか。
ただし、エンタメ業界が多様化し、自分のやりたい音楽を日本にいながら容易に世界に発信することが出来る環境があることによって、これから先、チャンスも増えていくと思います。
ちなみに、自分の頃に比べて、とにかく今の若いミュージシャンはお行儀がいいかな(笑)。

―常にフレッシュで居続ける吉俣さん。現在の夢・目標を教えてください。

いつか欧米のスタッフと仕事をして、旅行で訪れた際、「Ryo Yoshimata」と書かれたポスターを街中で何気なく目にするのが夢です。

“日本では数少ない逸材だと思います”

―吉俣さんが辻本さんのことを「日本で三本の指に入るクラリネット奏者」と評している、その理由を教えてください。

クラリネットでアドリブもできて、尚且つクラシック的な演奏もできる、日本では数少ない逸材だと思います。また、僕のサントラ作品にとって、音色とリズム感が絶妙にマッチしている貴重な存在です。

―吉俣さんが『Vermilion』を聴かれた感想を教えてください。

様々なジャンルの楽曲でクラリネットの魅力を感じられる作品だと思います。3曲目の「Vermilion」はリード曲として必然的な選択だと思いますし、2曲目の「A Musette for the Blondie」はクラリネットの音色を十分に生かしたメロディで、聴いていると自然と画が思い浮かぶような想像力が膨らむ世界観を見事にアレンジで表現していると思いました。
Disc2がマイナスワン仕様になっているという発想はとても画期的で、日本のみならず、世界中で演奏される機会を生み出しており、そういった意味でも幅広い層に届けられる作品だと思います。

―窮屈な生活が続きますが、吉俣さんが日々を暮らす上で大事にされていることや意識されていることは何ですか?

僕にとって「作曲家」という職業はもともと、ずっとステイホームのような仕事なので劇的な変化はないのですが、そんな中、改めて「人との繋がり」や、普段何気ない生活がいかに自分の糧になっていたかを実感しました。最近は、普段はやらないピアノの基礎練習をやったり、映画を観たり、時間的な余裕が出来たからこそ天気の良い日は散歩なんかもしてみたりして、自分なりに有意義な時間を過ごしています。

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ゲッターズ飯田

これまで約6万人を超える人を無償で占い続け、「人の紹介がないと占わない」というスタンスが業界で話題に。
20年以上占ってきた実績をもとに「五星三心占い」を編み出し、芸能界最強の占い師としてテレビ、ラジオに出演するほか、雑誌やWebなどにも数多く登場する。メディアに出演するときは、自分の占いで「顔は出さないほうがいい」から赤いマスクを着けている。LINE公式アカウントの登録者数は150万人を超え、著書の累計発行部数も500万部を超えている(2020年9月現在)。『ゲッターズ飯田の五星三心占い 2018年版』 『同2019年版』『同2020年版』(セブン&アイ出版)はそれぞれ100万部を発行している。


“占いは人生の地図。本人の受け止め方や使い方で大きく変わります”

―飯田さんにとって、人を占うことの喜びや楽しさ、やりがいはどういったところにあるのでしょうか。

最初は、勉強やデータを集めるために無償で占い続けていましたが、今は占った人の背中を押せたり、笑顔になれる手助けをしている感じです。

―占いの観点から見て、「才能」「天才」とは何ですか?

占いからの才能はありますが、それを上手く活かせるために忍耐強く続けられ、運気の流れに乗って注目された人が天才と呼ばれているだけだと思います。

―占いを受け取った人にとって、占いの良い使い方/良くない使い方とは?

占いは人生の地図なので、本人の受け止め方や使い方で大きく変わります。都合の悪いことも受けとめないと占いの意味が無くなってしまうこともあります。

―飯田さんが仕事をする上で大事にしていることを3つ教えてください。

・協力をする
・結果や数字にこだわる
・自分のできる最善を尽くす

“辻本さんの熱い気持ちや日々の鍛錬が伝わる音楽だと思います”

―辻本さんの今年の運気はどうですか?

2021年は運気が絶好調にいいので、特に夏から年末に掛けて大きな仕事やチャンスを掴むと思います。2022年に繋がる仕事や注目される出来事もあるでしょう。

―『Vermilion』を聴いた感想を教えてください。

クラリネットをこんなにしっかり聞いたことがなかったです。辻本さんの熱い気持ちや日々の鍛錬が伝わる音楽だと思います。

―窮屈な生活が続きますが、飯田さんが日々を暮らす上で大事にされていることや意識されていることは何ですか?

特に窮屈を感じていません。どんな時でも良い面と悪い面があるので、良い面をどれだけ見つけるかが大切です。自分のフォーカスを間違えないようにしましょう。

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KIIMAN

東京在住。大阪産まれ。油彩作家。ヌバックやスウェード地に油彩絵具を使ったアート作品、装飾品を制作。
過去イラストレーションデザインを学びながら、専攻外の油彩絵具を使用してデザインやポスター・立体物を制作し、オリジナルの手法によって現在に至る。“絵を描く”という行為そのものに疑問を感じながら、空間全体をひとつのキャンバスに見立て、インスタレーションや自身も表現のひとつとしてパフォーマンスしながら、そこに“ひとつの絵”を描いています。また、身に付ける装飾品は悪戯(イタズラ)目的の“悪セサリー”と呼び発表しています。

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“この世界に飛び交う情報は全て発見と疑問に満ち溢れています”

―KIIMANさんが、油彩作家として「レザーに油絵で描く」という手法を取られるように なった経緯を教えてください。

きっかけは家にあったスウェードの切れ端です。元々キャンバス地の裏にあたる麻生地に 直接色を塗って絵を描いていました。ふとスウェードに描いてみたところ油絵具が沁み込 むと言うか、染まると言うか、、、今までに無い感触と発色が【発見】そのものでした。 昔から「なんでも自分の目や体で発見して感動する」目撃者でありたいんです。 モチーフを描き起こしてはコラージュしたり繋げたりしていく中で、この手法に見た事の 無い可能性を感じているのは今でも変わらず、まだまだ答えを見つけたくない実験を繰り 返しているのだと思います。

―KIIMANさんが「アート」に心を掴まれて、情熱を注いでいる理由は何ですか?

単純ですが、絵を見る事も描く事も理由無く只々好きなんです。普段生活していて、いつもの同じ道を歩いていても、些細な事でも、誰かとの何気ない会話も、盗み聴きも(笑) 、この世界に飛び交う情報は全て発見と疑問に満ち溢れています。その答えを探す方法として絵を描ける私は「アート作品」の発表を選んだのだと思います。そして私自身「話す」才能がありませんので、自分の作品をきっかけに誰かとコミュニケーションをとっているのだと思います。

―普段、作品を作る上ではどういったことがインスピレーションとなりますか? どういったものを意識的にインプットされていますか?

先ほどの回答と被りますが、「何気ない日常」に毎日お題をいただきます。それは誰かが発した一言だったりする事もあります。言葉遊び・言葉の掛け合わせ・言いたいだけの響きも好きで、言葉から連想するイメージが作品になる事が多いです。おかげで携帯のメモ機能は造語の山です。
例えば「セミロング」=長くなったセミ。「アシパラガス」=アスパラガスで出来た足。「ピストリ」=鳥のピストル。「肺ビスカス」=肺を花びらにして出来たお花。
「手ブラ」=手で出来たブラジャーetc...
あげていけばキリが無いのですが、頭ん中が常にこんな状態ですし、これはオーダーを受ける際も同じです。その方が何を望んでいるのか、何が好きなのか、趣味や嗜好、好きな食べ物や時に恋愛観、出てくるお題は頭ん中で大喜利が始まります。そして依頼者の世界にKIIMANとして染まってみます。

―この先実現したいこと、叶えたい夢は何ですか?

回転寿司の皿に作品を乗せて厨房から作品が出てくるみたいなシステムの展示をしてみた いです。キャンバスと言った白い画面に絵を描かなくなってから、私の【絵を描く】行為は空間演出にも表現が変わっていきました。私の世界は少しシュールで孤独で、でもクスッと笑って欲しかったりもします。そして少しだけ恰好つけたりもします。回転寿司スタイルでモチーフやアート作品が乗って出てきたら、まず手に取って見てもらえる。厨房から出てくる時に環境音チャイムが鳴ったりしたら可愛いです。手に取るアート「ヘイラッシャイ」展です。

“スポットライトの下に立つ人の才能を感じました”

―「Vermilion」のジャケットワークは、どのようにして作られたのでしょうか?

当初、辻本さんの写真自体使わないかもしれないというスタートで、頂いた楽曲「Vermilion」の意味・カラー・想いを聞き、その上で辻本さん自身をまず描いてみる事にしました。トレンドマークのヘアカラーで花びらを作り、茎や雄しべや蕾はクラリネットにしました。初めてご挨拶した時に感じた【華】や【色気】をそのまま抽象化した形が【空想上のお花】となりました。 次にVermilionカラーで朱色の楽譜を描きました。その上で、辻本さんがクラリネットで路上ライブをしていた事を聞き、コンクリート撮影した写真と、このソロデビューに向けて撮影された景色の写真を組み合わせて行く事で、アルバム全体に辻本さんの歴史を詰め込んだdesignになっていきました。

―KIIMANさんから見て、辻本さんはどういった人物であり音楽家ですか? アートワーク制作の中で感じたことを教えてください。

「ありがとうございます!!!」=「!!!」の多い方です(笑)。会話自体も常にはきはきされてて元気なのですが、文面も元気です。私はあまり「!」を使わなかったのですが、このやり取りが単純に気持ち良くて、まんまと影響されました。初めてお仕事についてお話した際には、相手に緊張感を与えない方である事もすぐ分かりましたし、誰に対してもわけ隔てなく同じように接されるし、誰かの意見に否定する事無く耳を傾ける姿も印象的でした。 ライブで見せる「全身で思いっきり演奏する姿」と制作中に感じた辻本さんの思いは同じ 勢いと熱です。そこに嘘が無いと言うか、誰も裏切らないと言うか。制作中、“辻本さん” が“辻本さん”で心底気持ち良かったですし、そういう姿に私自身背中を押され、得るものが本当に多かったです。スポットライトの下に立つ人の才能を感じました。それは辻本さん自身が自然に持っている才能と魅力なのだと思います。

―窮屈な生活が続きますが、KIIMANさんが日々を暮らす上で大事にされていることや意識 されていることは何ですか?

この世界になって余計になのですが、堂々と「サボる」時間を作るようになりました。過労に気付かず突っ走ってる時期があって、結果身体が壊れて入院しました。こういうエンドレスな作業をしていると周りが見えなくなる程熱中するので、寝る事や食べる事も忘れてしまう時があります。集中しすぎて自分が壊れないように「サボる」事によってバランスをとるようにしています。

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兼重 哲哉

1979年生まれ。WHITEBASE STUDIO→TOM・TOM・STUDIO→フリー。
参加作品:辻本美博、電気グルーヴ、NONA REEVES、SUPER BEAVER、NakamuraEmi、etc

“いい音とは、「エゴだけor 迎合だけ、以外の音」”

―まず、「エンジニア」とはどういったお仕事なのか、兼重さんはどういった部分でミュージシャンや作品と関わっているのか、ご説明いただけますでしょうか。

音のカメラマン。

―兼重さんが「エンジニア」という仕事を選ばれて、情熱を注いでいる理由は何ですか?

文章にするのが難しいくらいの喜びがあるところ。

―兼重さんがエンジニアとしてアーティストと接する中で大切にされていることは何ですか?

楽曲ファースト、ときにアーティストセカンド。

―兼重さんにとって「いい音」とは何ですか?

エゴだけor 迎合だけ、以外の音。

“つーじーのような「ど変態」と楽しく仕事できるのがエンジニアだと思います”

―「Vermilion」の制作において、こだわったこと、目指したもの、工夫したことなどを教えてください。

マイナスワンCDに、クラリネットのかぶりが入ってしまうくらいの一発録り感。

―兼重さんから見て、辻本さんはどういう人物であり音楽家ですか?

ど変態。

―窮屈な生活が続きますが、兼重さんが日々を暮らす上で大事にされていることや意識されていることは何ですか?

身の丈。

あと、先ほどエンジニアは「音のカメラマン」なんてかっこつけたことを言ってしまいましたが、つーじーのような「ど変態」と楽しく仕事できるのがエンジニアだと思います。

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谷口 慶介

Playwright/Think! Recordsディレクター
1996年よりSHIBUYA CLUB BALL(東京都渋谷区)にてDJ活動をスタート。出会ったバンド、playaの音源リリースをきっかけに、2002年ディスクユニオン内の制作レーベル、DIW THE GARDENを開始。 2005年ディスクユニオンのスタッフが集いそれぞれの頭文字を取って命名した、Think! Recordsを始動、世界中の音源を新旧ジャンル問わず復刻することをメインに現在も活動中。 2012年10月よりスタートした新レーベル、Playwrightはfox capture plan、bohemianvoodooなどの大ヒットを生み出し、現在セールス20万枚を超えるシーンの最重要レーベルへと成長した。

“「なにくそ、負けてたまるか!」と奮起します”

―現状、谷口さんが考えていらっしゃる音楽業界の課題点・問題点とは? それを打破するためにやられていることがあれば合わせて教えてください。

問題点はないと思っています!日々良いことも悪いことも課題と捉え分析し、常に新しいことにチャレンジしていく心構え。

―レーベルにて「制作」という役割・担当を続けられている谷口さんですが、どういったところにお仕事の楽しさや醍醐味を感じていますか?

2002年の初リリースから今まで数百タイトルの作品を制作してきました。店頭でディスプレイされている姿はいつ見ても嬉しくなります。自分の知らないところでの評判を聞くと心が踊ります。ふと街中で耳にすると「これ俺!」て言いたくなります。その音楽を楽しんでいる人の表情を見ると話しかけたくなります。自分が関わっていない同種作品の評判を目にすると(聞くと)、「なにくそ、負けてたまるか!」と奮起します。

―谷口さんがお仕事をする上で大事にされていることを3つ教えてください。

無理しない。
相手の気持ちになって考える。
適度に妥協する。
文句を言わない。口に出すのはポジティヴで(4つ言ってしまった(笑))

―アーティストと接する中で、そしてアーティストが生んだ音楽を世に届ける中で、大切にされていることは何ですか?

なるべく曲げないこと。
このCD盤に、関わった人たち全員の気持ちをギュッと閉じ込めること。

“『Vermilion』はムーンサルト決められたぐらいの衝撃でした”

―完成した『Vermilion』を聴いた印象を教えてください。

昨年5月に配信リリースした宅録コンピレーション『Playwright Library of Sounds』で提供してもらった楽曲はクラリネットのみの楽曲だったため、その印象で音を予想していたのですが、カワムラヒロシさんのプロデュースもあってそのナナメ上どころかムーンサルト決められたぐらいの衝撃でした。今回はマイナスワン音源もついていますが、それだけでも楽しめる完成された楽曲に驚きました。

―谷口さんから見て、辻本さんはどういう人物であり音楽家ですか?

「THE前向き」
たまに無茶振りしてくる人。それが良い刺激になったりします。

―Playwrightがこれまでに成し遂げられたと自負していること、そしてこれから実現したいことを教えてください。

2022年に10周年を迎えますので、なにかやりたいです。
完全俺プロデュースの作品を作ってみたいです。
スティーヴィー・ワンダー『Songs in the Key of Life』の完全コピーアルバムを作ってみたいです。
Jazz à Vienneのメインステージに誰かを立たせてあげたいです。
あと2〜3新規レーベル作りたいです。

……何を成し遂げたか、とかあんまり考えたことなくて、これからやりたいことばっかり考えています。

―窮屈な生活が続きますが、谷口さんが日々を暮らす上で大事にされていることや意識されていることは何ですか?

亡き父の写真に毎朝手を合わせる。
無理しない。
自分へのご褒美を頻繁に与えてあげる。

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