Interview

01.Wall Painter

タイトルの通り、壁に絵を描く人をイメージした曲です。「壁に絵を描く人」と言ってもスタイルやイメージは様々かと思いますが、ここで僕が思い描いたのは「沢山の人の楽しそうな声がいろんなところから聞こえてくる公園の大きな壁に何時間もかけて自由に、堅苦しくなく、そしてカラフルに絵を描いている人」です!この曲があなたの日常にスッと馴染み、あなたの心に明るい絵を描かせてもらえたら嬉しいです。

02.A Musette for the Blondie

僕の所属バンドCalmeraのリーダー西崎ゴウシ氏が、僕が本格的にクラリネットソロ活動を始めますと宣言した直後の2015年に、僕の為に書いてくれた大切な曲です。僕が元々好きな音楽や、クラリネットで表現したいと思っている世界観を、深く理解してくれていることがこの1曲から伝わってきました。そして何年もの時間をかけて、幾度となく、沢山の音楽家たちとこの曲をセッションしてきて、今、に至ります。カワムラヒロシさんのプロデュースのもと出来上がった最新にして最高の音の時間を堪能していただきたいです。

3. Vermilion

本アルバムの表題曲である『Vermilion』ですが日本語でいうと朱色。「朱色」は、古来より災厄を防ぐ色とされており、この2020年-2021年にこの音楽をこの言葉とともに発表できることに大きな意味を感じています。この曲も辻本作曲、カワムラさん編曲なわけですが、爽やかかつキレのあるギターカッティングから始まり、ポップに聴かせながらも、随所に散りばめられたキメやアドリブソロから、ミュージシャンシップの高いセッション感を感じてもらえる1曲に仕上げていただけたなと思っております。躍動する楽器の魅力にワクワクしてもらいたいですね。

4. Romance

ロマンティックな風景、ロマンティックな一日、ロマンティックな人生……そんなことをイメージした曲です。ですが「ロマンティック」と言っても、風景、一日、人生……ずっと絶え間無くロマンティックなことなんてありませんよね。どんどん移り変わるメロディーとアレンジと演奏に、ロマンティックの一言では語りつくせない「ドラマ」を感じていただけたら良いなあと思っております。

5. Csardas

V. Monti作曲の『Csardas』は本当に多くの演奏家が取り上げてきた楽曲かと思いますが、本アルバムではカワムラマジックによって、楽曲の良さ・エッセンスはそのままに、この編成・このメンバーならではのアグレッシブなアレンジでお届けすることに成功しています。ちなみに、僕が中学3年生の時に初めて出た「ソロコンテスト」で初めて「グランプリ」をいただいた時に演った曲がこの曲です。感慨深いです。

6. night rainbow

カワムラヒロシさん作曲のこの楽曲は、僕からカワムラさんにお願いしてカバーさせていただきました。ライブで何度もセッションさせてもらって、ギターとクラリネットのアンサンブルでこんなに心地よく響くのかと毎回感じて大好きな曲だったので。そしてカワムラさんが本アルバム用にアレンジしてくださり、さらにレコーディングエンジニアの兼重哲哉さんのサウンド作りやアイディアが加わって、本当にまだ誰も踏み込んだことのないクラリネットからはじまるポップスの世界を感じていただける仕上がりになりました。楽曲・サウンド・レコーディング環境に導かれるように演奏した第一テイク(レコーディング開始第一発目に録音した音)をそのまま採用してあるということもここに書き留めさせてください。